変容の時代
瀬戸内配送センターが稼働し、宮地電機が新体制で動き出してからわずか8ヵ月後の2020年1月、日本で初めて新型コロナウイルス感染者が確認されました。
その後、感染は急速に拡大し、世界的なパンデミックに発展。未知のウイルスは多数の死者を出し、世界中を不安に陥れました。開催直前だった東京オリンピック2020は1年延期となり、人々の生活は一変。世界経済は停滞し、当社の事業見通しにも一時的な影を落としました。
一方、コロナ禍で人との接触が制限される中、在宅勤務が推奨され、リモートワークが急速に普及。社内でもリモート会議やオンライン打ち合わせが定着し、業務効率化が進む一面もありました。
コロナ禍において一番影響を受けたのは、レストランやパーティー・ウエディングなどの飲食業を生業とする生活文化営業部でした。
業界全体が大きな変革を迫られる中、2021年には事業を集中し、組織のスリム化を図る改革を断行。取締役を中心とした全社的な支援のもと、新たなスタートを切りました。
高知のおきゃく文化の象徴である人の集いが制限されるなか、ラ・ヴィータ御膳やカレー、ピザなどのテイクアウトやギフト商品を充実させて販路を増やし、ウエディングやパーティーでは、お客様とスタッフ双方の体調確認や飛沫防止対策を徹底し、安心して過ごせる環境づくりを徹底しました。
そして2023年5月、新型コロナの感染症法上の分類が第五類に移行。高知のおきゃく文化は往時の活気を取り戻し、その後右肩上がりの業績を残しています。
2021年2月、社内コミュニケーションの強化と、全社に会社の考えや方針を伝えることを目的に貴嗣社長による動画メッセージ「ミヤカレ」の配信がスタートしました。毎月1回以上の定期配信が行われ、働く意義や組織づくりに関する内容が社長自らの声で社内に発信されました。
さまざまな業務効率化策を打ち出し、業務時間の短縮と精度アップ、働きやすく働きがいの持てる職場づくりを目指して業務改革を進めてきた宮地電機は、働く人の心と体を守る取り組みが認められ、2021年3月に「健康経営優良法人2021」(中小規模法人部門)に認定されました。
以来、5年連続で認定を受け、「働く人の幸せを大切にする」「子どもや家族にも勤めてほしい会社にする」と、Miyajismで示されている当社の取り組みが評価されています。
情報共有と情報資源の活用、デジタルコミュニケーションが当たり前の時代。2022年12月、いつでもどこでも安全かつ快適に必要な情報にアクセスでき、チームで効率よく働くことができるIT環境をより進化させるためMicrosoft365を導入しました。仕事の効率化と、チームのタイムパフォーマンスを高めるツールであり、これからますますの活用が期待されます。
業務効率を高め、属人的な作業を標準化するため、近年さまざまな業種・業界でRPA(※)の導入が進んでいます。宮地電機でも2021年にシステムを導入し、見積業務をはじめ電子帳簿保存法への対応など、多くの業務を自動化しました。
2023年3月には、販売の最前線である営業活動の効率化を目的に「業務改革担当室」を発足。現状の業務フローを可視化し、作業工程の簡素化やデジタル化を推進することで、時間短縮と精度向上を目指しています。
見積業務ではRPAやOCR(※)を活用した図面の自動振り分け、見積依頼メールの自動送信、メーカー見積書のデジタル変換、オープンシステムへの自動登録など、各種システム化を実現しました。また、LED照明や空調機器など、複数の製品で構成される商品の登録を、組み合わせ品番としてマスタ登録できるようにすることで、面倒な登録作業を削減することができ、将来的にも大きな市場を生むリニューアル活動への後押しになるとして期待されています。
さらには、電話応対の時間短縮につなげるTeamsの活用推進、発注業務や日次・月次の締めなど各事業所で同じ時間帯に行っている業務の集約なども進行しています。
多くを気付き、改善にトライし、PDCAを回しながら、全社の業務効率化と生産性の向上に貢献し、さらには待遇向上にもつながるよう邁進しています。
※OCR(Optical Character Recognition/Reader)とは…画像データに含まれる文字をテキストデータに変換する技術
2023年3月21日、ビジネスウェア規程が17年ぶりに改定されました。新たな規程では「企業人としての良識に委ねる」という考え方を基本とし、名称も「企業人として良識のある服装の基準規程」へ変更されました。現場の実情に応じた柔軟な運用を可能にするため、営業部や室単位で細則を定められる仕組みも導入されました。社名入りポロシャツやスニーカーの着用も認められ、実用性と多様性を両立した内容となっています。改定にあたっては社内ワーキンググループによる提案をもとに取締役会で決定されました。
「働き方改革」
電気工事店の業態に合わせて土曜日も終日営業としていた当社は、2023年4月から土曜日の半日営業をスタートしました。交代制で出勤し、午後を半日有給休暇取得推奨日としました。これにより、仕事と私生活の両立がしやすくなり、心身のリフレッシュや家族との時間の確保、自己啓発の機会が増えるなど、より充実した生活を送ることが可能になりました。
また、2025年度は年間休日を120日以上、2026年度からは週休2日制への移行を決定しました。働く人の満足度や生産性の向上、定着率の向上といったポジティブな効果も期待されており、ワークライフバランスの向上につながる改革となりました。
2024年の日本の出生率は9年連続で減少し、働き手の確保はますます困難となる人口オーナス期(※)に入り、企業は働く人が長く働き続けられる環境づくりが重要となっています。これから子育てを始める若年層の多くが希望する「男性育休」の実現に向けて、2024年10月から四国4県で「男性育休共有会」を実施し、男性育休取得への理解と推進の意識醸成を行いました。2025年には、育休取得中の経済的な不安を解消するための貸付金制度も用意され、フォローアップ体制の充実とともに、男性育休取得が現実となりました。
このように宮地電機は、働き方改革を一過性の取り組みとして捉えるのではなく、時代の変化や多様な価値観に柔軟に対応しながら、継続的に改善を図ってきました。こうした活動や職場の協力もあり、2024年度までの男性の育児休暇取得率は0%でしたが、2025年9月時点では66.6%になりました。
「Miyaji-COM 2025」開催
「働く人同士の理解を深めるため、宮地電機で働く仲間を知る場として、全社集会を開催したいです。」
9年ぶりに開催された全社集会は、ある20代社員のこの言葉から始まりました。そして上司の後押しを受けながら文字化され、2024年末の取締役会を動かしました。「失敗を恐れず、挑戦する」この言葉を具現化した行動であり、これからの宮地電機に欠かせないマインドです。
2025年に入り、社内有志9名による実行委員会が結成され、業務の合間を縫って綿密な準備が進められました。
そして10月24日、高知市の城西館にて「Miyaji-COM 2025 〜つながる!ひろがる!宮地万博!〜」が開催されました。イベントは、宮地電機の新キャラクターをデザインするグループワークに始まり、貴嗣社長の講話、懇親会と続きました。限られた時間の中で相互理解が深まり、見事に本来の目的を達成した全社集会となりました。
創業80周年を迎えるにあたり、2025年7月、貴嗣社長から「経営理念を時代の変化に合わせて見直す」という指針が示され、社長率いるプロジェクトチームによる熱い議論が重ねられました。その中で、貴嗣社長が常日頃から語っている次の言葉に焦点が当てられました。
「プロは、他の人にできないことをして感動をプレゼントするからお金をもらえます。相手の期待を上回るプロの集団を目指しましょう。」
この言葉をもとに、新しいスローガンとして“期待を超える感動を” が決定しました。ロゴマークには、四国を照らす意味を込めた電球が灯り、宮地電機らしさを表現しています。発表は Miyaji-COM 2025の場で、直接伝えられました。
